古代錦
華やかさとつつましさ。
光りすぎず、沈みすぎず、
『はんなり』とした風合い。
愛でるたびに、季節の光の変化によって
その表情や姿が変わります。
選ぶ人の『思い』を感じる
古代錦袋帯。
継承していくこと
澤屋重兵衛 古代錦袋帯
初代、澤屋重兵衛から8世代、二百数十年余り、
京都西陣にて脈々と受け継いできた伝統の「引き箔」の織り。
帯地に金や銀一色で織り込んだ紋様。
古代中国に由来し、西陣で磨かれた引き箔と言う技法で織られています。
引き箔は
全ての色を受けとめ
しっとりとした光を放ちます
余韻を感じる佇まい
澤屋で古代錦を織り始めたのは150年前。
歴代当主自ら、図案を製作してきました。
現在まで実に400柄を数え、伝統的な有職文様ほか、
その時代のエッセンスを図案に取り入れています。
光すぎず、沈みすぎず
「はんなり」とした風合い
江戸、明治、大正、昭和、平成、
そして令和…..。
必要最低限の色で柄を作っていく
古代錦の良さとは、はシンプルであるがゆえに
身に着ける人の気持ちや想いに
寄り添うことができるのではないかと思います。
箔と地色のシンプルな二色使いが、
日本の今の、様々なシーンに、
住空間に不思議によく馴染みます。
柔らかものから紬まで、年代や格式にとらわれない品格を持ち、
帯としての役割も幅広く、どんな場面にも小物ひとつで対応することができる
タイムレスな一面を持っています。
帯の人生を考える。
いつの時代も、使い続ける満足がそこにあります。
着物というのは襟の白があって
足袋の白があって
きものの色があって
帯には帯揚げ、帯締めを
のせる場所があります。
最後は自分の肌の色であったり、
目の輝きであったり、
紅の色であったりと
自分の身体との
トータルのコーディネートで
感じていただけるものではないかと
思います。
帯の人生を考えながら
作品を作っています。
帯そのものに、ひとつの人生があって、
新しい世界で出会った人々の人生を
楽しませてくれる、そんな人生でありますようにと...