ひとつの帯を作るのに
沢山の職人の想いが
入っています

ものづくり

箔をはる職人の想い、糸を染める職人の想い
機織る織り手の想い、その全てが
一つの帯に 宿っています。

出会いは一瞬、その思いは一生続きます。
出会う事に感謝して、出会えた事に感謝して、
この帯を守り続けたいと思っています。

生糸

図案から紋意匠図、配色、そして糸染め...
図案
これから作る織物の織り上がりをイメージして
描きます。

紋意匠図
織物の設計図。
絵柄を方眼紙に拡大して写します。
方眼紙の人目盛りごとを塗り分けていきます。

紋紙
縦糸を上下させる穴を開けた紙で、
簡単な柄で1000枚、
複雑な織物で数万枚の紋紙が必要です。

配色
一万色以上の意図色から、
これから織る織物の色を決めます。

糸染め
職人の勘を頼りに、微妙な調整をしながら、
何回も何回も絹糸を染めていきます。

箔押し

焼き箔。
銀箔を長い時間をかけてゆっくりと燻していきます。


箔の裁断。
燻した箔を曲尺で一寸、約3cmの間を100本の細さに裁断します。

整径
職人の指先の感覚で、
何千本もの縦糸を織物に必要な長さと幅に揃えていきます。

綜絖
複雑な織物の設計に基づいて、
何千本もの縦糸を動かす仕掛けを組み立てていきます。

織る

髪の毛の様な細さに裁断した箔を、
一本、一本裏返らない様に、
順番を間違えない様に、縦糸の間へ手で引きながら、
織り込みます。

時間が止まる様な作業。
その一越し一越しに、織り手の思いが込められています。

ものづくりは、春夏秋冬日々ひといろ。季節を巡るときが重なりあい、豊かな手技のグラデーションが生まれます。献身的な時の流れと、奉仕の精神。 儀式のように繊細な、手仕事の繰り返し。その全てがほんものを創りつづける、職人の真摯な使命感によって支えられています。